ある日、僕は金や家具を求めて村の木をゆすっていた。 

木をゆすると金の入った袋や家具が落ちてくる事に、最初は驚いていた。 
だが僕はもう驚かない。それが日常化してしまったから。 

一本の木をゆすっていると、ハチの巣が落ちてきた。 

やばい!!! 

次の瞬間、僕はダッシュした。しかしハチは距離をつめてくる。 
しかし、結局ハチに刺されてしまった。 

その後は目が腫れるは住民にバカにされるはでさんざんな一日だった。 
そんな時、ある住民に言われた。 

「ちょっと!アンタそのカオ…鏡見たの?」 

そんなにひどい顔なのか。そういえば自分がハチに刺された顔を見たことが無い。 
なのに、なぜかひどい顔をしていることがわかっていた。 

一回この目で見てみようと思ったが、家に鏡は無い。 
しょうがないのでタヌキデパートの窓ガラスを覗いてみた。 

自分の顔が映し出される。 
はず、だった。 

そこに自分の姿は無かった。 

何故? 

僕は不安になり、近くの池を覗き込んだ。 
やはり自分は映っていない。 
川も、海も、ガーベラを入れてある透き通った花瓶も、 
僕の姿を映してくれるものは無かった。







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