もう諦めてはいたけれど、僕は今日もメッセージボトルを流す。 誰もこの村からの脱出を助けてはくれないだろう。 それでも僕は今日も流し続ける。 そしてどこからともなく流れ着いたメッセージを拾い読む。 「はじめまして。○○むらの あゆみです。 まだはじめたばかりの10さいです。 わたしのむらのくだものをおくります。 ○○むら あゆみ 」 ほらやっぱりだ。やっぱり自分で何とかしなきゃいけないんだ。 僕は泣きながら、ボトルに入っていたリンゴを食べた。 「はじめたばかり」の言葉に不安を覚えながら。 ■TOP