毎日毎日単調な作業 
疲れ果てて家に帰ると待っているのは暗い部屋に付けっ放しのテレビ 
ランプをおけば明るくなるのだろうがメンドクサイ。 
家具はテレビと花。4色のバラだけ。 
今日もいつもと同じように屋根裏部屋でベッドによこになる。 


テンテンテンテンテンテン 
また、いつもと同じように目が覚める。 
しかし目覚し時計すらないのに何処から音が出ているんだろう。 
寝ぼけ眼で階下へ降り、外へ出る。 
ほとんど目をあけずに、ポストから手紙を2通とりだす。 
一つは、あのアヒルからの手紙だった。 
どうやら俺の立っている所に何か埋まっているらしい。 
だが、下は石畳。俺には掘れるわけがない。 
もう1通は、きれいな花で囲まれた女々しい便箋。 
誰だろうと思いながらも、どうせまた誕生日だろうかなんて思いながらも 
脱出の希望を胸に抱きつつ封を開ける。 
「××さんへ 
 こんにちは 
 きょうからどうきょすることにな 
 ったモノです 
 よろしくおねがいします 
 ○○より」 
明らかに女の子の物で、村に住んでいる動物の名前ではないし、 
どうきょ、は同居と言う事で間違いはないだろう。 
急いで家の扉を開け、屋根裏部屋に駆け入ると、 
自分のベッドから3寸ほどの所に新しくベッドがあり、 
ワンピースを着た女の子がそれに横たわっていた。 
その子は無防備にもパンツを晒し、 
幸せそうな寝顔をしていた。 
そうだ、初めてこの村で出会った人間。 
脱出の可能性が、希望が見えてきたのだ。 
揺さぶり起こそうと試みるが手が動かない。 
色々試してみるが、「歩く」ことしかできないのである。 
そこでこの子が手紙を送ってきた事を思い出した。 
そうだ、手紙は送れるかもしれない。 
ここまでたぬきの店が開くのを心待ちにした事はない。 

たぬきちの店で一番ましだったハンバーガーのびんせん 
を買ってきて、ものすごく甘ったるい内容の手紙をぺりこに渡してきた。 
これであの子に届くはずだ。 
今日はカブなんてどうでもいい。 
寝る事にした 

家から出て愕然とした。 
石畳の周りが色とりどりの花でめいっぱい囲まれていた。 
それからは、あの子と色々とやりとりした。 
一度、告白の手紙もきた。 
「もちろん返事は...」 
省略するがどうやら彼女はJOJOネタが通用するらしい。 
しばらくすると、家の中も華やかになり、 
村にはすずらんも咲いた。 
だが、ある日彼女は姿を消した。 
ベッドごと。 
もしかしたら起きているかも知れない。 
そう思い、外に出てみた。家の横には、青いバラと、ピンクのバラが、 
寂しそうに咲いていた。







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