「シネナイムラ」 




この村に着て僕は気付いてしまった。 
僕はこの村に着てから・・・ 

「体が呪われてきているようだ・・・」 



自分の体の呪いに気付いたのはぺりみ 彼女に出会ったときだ。 
彼女は僕に話しかけてきた。 
面倒くさそうな口調で彼女は話している。 
これは普通のことだ。 
しかし、彼女がしゃべり終わった瞬間・・・ 

彼女が心の中で思っていることがわかるのだ。 


そういえば、かぶきち 彼に話しかけられたときもそうだ。 
無理やり僕に商売を押し付け話し終わったときに 
「聞こえてしまう」のだ・・・。 
人は心の声なんて聞けない。 
でも僕はわかってしまう。 
僕は呪われてしまったのだろうか・・・。 

怖い・・・ 
自分が怖い・・・。 
聞きたくも無い他人の心の声・・・。 
ああ・・・僕はどうなってしまうのだろう・・・。 
このまま呪い殺されるのだろうか。 
もうイヤだ・・・。 
この村に来たことが間違いだったのだ。 
・・・この村に来たのが間違い? 
いや、ちがう・・・ 
僕は来たのではなく「来てしまった」のだ。 
あのカッパに無理やり連れて行かれそしてこの村に立っていた。 
そうだ・・・よく考えれば僕は無理やり連れて行かれたんだ。 
だから僕はカッパの思うがままに動かされているに違いない。 
ならいっそのことここで死んでやる。 

しかし、自殺を図ろうとしても何故か自分自身を殺せないのだ。 
仕方ないので僕は友達に殺してもらうように言った。 
友達はすべてを理解しているようにただ頷いた。 
そして、僕に向かって斧を振り下ろした。 
さようなら・・・・ 

しかし、彼が振った斧は「当たらない」のだ。 
その後彼は何度も斧を振ったが当たらない。 

そう・・・ 

この村で死ぬことは「許されていない」のだ。







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