【裏切りの始まり】 

「じゃあ20日の19時00分に行くねぇ。」 
私の名前はメグ。 
この不可解な空間から脱出しようとは思いつつも、 
この生活は楽しんではいた。 

今日もニコバンが午後七時に来るのだ。 
だが私は腑に落ちない所がある。 

「20日の19時00分に行くねぇ」 
20日って今日だろ?素直に今日って言えば良いじゃないか。 
それに「00分」って何さ。馬鹿にしてるのか? 

そんな事を思いつつもテレビに視線を向け続けた。 
…これ、先週も同じ番組をやっていなかったか? 
再放送にしては早すぎる。 
というかいい加減飽きた。 

…寝よう。 



うん…現在午後七時丁度。 …来ない。 何時まで経っても来ない。 ニコバンは10分、30分経っても来なかった。 私に焦りすら感じさせた。 何か遭ったのだろうか。 私の足はニコバンの家へ向かった。 ニコバンはそこに居た。 良かった。何も起きていない。 そう思いたかった。 「メグくぅん!どうしていないのさ!」 …は? 私はきちんと七時に家で待ち合わせしたハズだ。 「だからさぁ、いないならいないって言ってくれれば…」 何だこいつは。 お前が来なかったのだろう。 何故私のせいにする。 「もうメグくんなんてしらなぁい!」 私の理性が吹き飛んだ瞬間だった。
事が済んだ後、私は斧についていたニコバンの残滓を川で洗い流した。 川が紅く染まる。私の心も紅く染まる。 私は罪を負った。 …だが、裁かれたくない。 私はこの事が大事になる前に引っ越しをすることにした。 だが…私の目の前に現れたのは… 「…あれ?メグくん。どうしたのかなぁ?」 ■TOP