断ればよかった。 
すぐ気付くべきだった。 
奴は、いや奴らは僕に薬を盛った。 

そもそもあの店ほど薬を飲みやすい場所はない。 
薄暗い照明、店員は一人、メニューは一日一杯、「限定」のコーヒーだけ… 

使い古されたパターンだよな。 
「毒入りコーヒー」 
なんて。 

しかもすぐ効果が出るんじゃない。毎日飲む事で成分が体に蓄積し、わずかずつ体質を変えていく。 



あれ? 僕ってこんなに毛深かったっけ? 身長が縮んだ気がするなぁ。 何だか最近、すぐお腹が空くんだぁ。 鉄道ってかっこいいなぁ〜 そして、僕は今日この村に引っ越しさせられてきた。 初めて会った君に、挨拶抜きでいきなりこんな事言うのもアレだけど… 喫茶店のコーヒーは断れる。 わざわざ奴らが残した、唯一にして最大の防衛。 断るんだ!僕みたいに、どうぶつに変わらないように!! しかし、僕の口から出た言葉は… 「やぁ、初めましてのヒトだねぇ?僕…ボクの名前は…」 ■TOP