夜になってから村を散歩してみた。 
けれど・・・いつもと様子が違う。 
どうぶつの家は電気はついているのに、扉を叩いても返事はない。 
電気をつけたまま寝てしまったのか? 

いや、どうも様子がおかしい。なぜかどのどうぶつの家を訪ねても 
同じ状況なのだ。昼間にはみんな、村を歩いているのを目撃した。 
いつもどおりに釣りをしたり花に水をやったり。 
「男がいるときだけ普段はマスカット食べてるよとか言うなよ〜」 
とか冗談めいた会話もしたり。 
リリアンは泣いてたけど、あの時はみんな笑ってて、 
今日も楽しく過ごしていたはずだった。 
みんなどうしたんだろう?ちょっと不思議に思いながらも 
今日は家に帰って寝ようと思った。 

そして家のノブに手をかけようとした瞬間、誰かの気配を感じた。 
いや、正確には、うしろで女の子の鳴く声がしたのだ。 
ふと振り返ると、そこにはリリアンがいた。 
月明かりで見えにくかったが、目が赤く、すこし腫れているきがした。 
どうしたんだろうと思った次の瞬間、ぎょっとした。 
なぜ、手にオノを持ってるのか!? 
しかもオノが鈍い赤色で汚れている・・・ 
ひょっとして、今日みんなに笑われたこと・・・今も怒ってるのか? 
とても嫌な予感がした・・・ 
けれど彼女は僕より先に、泣きながら話しかけてきた 
手に持ったオノを強く握り締めながら・・・ 


「あ、アタイともっと・・・しゃ、しゃべりたいん・・・だね・・・?」







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