「あの、あなたリリアンさんのことどう思います?」 
庭の花に水をやりながら、シマウマのサバンナが話しかけてきた。 
僕はリリアンのことは好きだ。Likeという意味で、だが。 
いつも元気で明るいし、同じウサギでもフランソワなんかと違って 
僕のことを見下さない。ちょっと軽いのが玉にきずだが。 
まあ好きだよ、と答えておいた。 

「そうですか、わたし、リリアンさんのこと、あまり好きじゃないんですよ……」 
そのとき、サバンナがどんな顔をしていたのかはわからない。 
僕はサバンナの嫌な面を見てしまったような気がして、その場を去った。 

そして次の日、リリアンの家は跡形もなく消えていた。 
サバンナが、あの女が、何かやったのだろうか。サバンナは何事も無かったかのように 
相変わらず花に水をやている。 
僕はリリアンの家に行かなかったことを激しく悔やんだ。 
一言言えば良かったのだ。たとえ笑われたとしても。 
サバンナが、君を、狙っている、と…… 







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