住人の一人が昨日バウムクーヘンを食べたがパサパサだと言ってきた 
贅沢な奴だな 僕は食べたくてもバウムクーヘンなんて手に入らないのに 
はらへった 今日も果物を皮ごと食べ 
喫茶店で夏でもお構いなしの熱いコーヒーを飲み喉を潤す 
もう限界だ 


にくくいたい 



肉が喰いたい僕の前に動物たちが現れた。 本来ならおいしそう、と舌なめずりする場面のはずだが…。 …どうして小さいはずのウサギまで、僕と同じくらいの背丈なんだ? しかも人間と同じように二足歩行している。会話も可能らしい。 彼(彼女)らはこの村の住人だと言った。 僕は気が遠くなった。 何なんだ?この生き物はたちは!…あまり考えたくはない。 恐ろしくなった僕は、その場を愛想笑いでごまかしつつ、立ち去ろうとした。 すると、住民の一人が話しかけてきた。 「あなたの家に遊びに行ってもいいですか?」 …絶望的だ。もう、逃れられない。
諦めの日から、僕はどれだけ月の満ち欠けを数えたのだろう。 それが単なる惰性だとわかっているのに、僕が自主的にできる事と言えば、 そのくらいしかないのだ。 幸いな事に僕の命は、こうして現時点では活動をしているのだし、村中の 彼らが僕に危害を加える様子もなさそうだ。こうしておとなしく釣りや 虫取りなどを、している限り、取り敢えず身の安全が保障されているようだ。 しかし、今一度思い出してみたい。 僕は、なぜこの村に来る事になったのだろう・・・・・・? 荒れた風雨の中を、タクシーで運ばれる以前の記憶がない。 ■TOP