出口のない森。 せめて、ここが何処なのかだけでも把握しておかねば。 脱出の日に向けて。 手がかりを探すべく、スコップで地面を掘り返す。 やがて白い、石とも骨とも知れないものが姿を現した。 自分は学芸員と名乗るあの怪しい巨大フクロウ。 まだいまいち信用ならないが、何かの参考になるかもしれない。 見せて反応を伺ってみた。 「これは ス テ ゴ の あ た ま ですね」 ・・・捨て子・・・の・・・頭・・・ 俺は「それ」を放り出し、建物を飛び出した。 無我夢中で木々をすり抜け、崖下の池の淵まで逃げた。 息が切れてしゃがみ込む。震えが止まらない。 何があった。この森で。何が。 ■TOP